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塔鋺合子

中国 唐時代
高さ 約11cm
胴径 約6.2cm

響銅鋳製、挽き物仕上げになる、肩張り気味の球体形の合子で、蓋頂に相輪形の紐を立て身下部に外開き著しい台脚をもつ。
このような器形はインド以来のもので、本来は舎利容器として多用された。
わが国の遺例としては正倉院宝物中の品々や日光男体山頂出土の品々が世に知られるが、これらは香合として用いられたようで、法隆寺の玉虫厨子軸部にみられる舎利供養図、東大寺大仏の蓮弁線刻中の供養比丘が柄香炉とともにこの種の塔鋺を持することは、塔鋺が香合として用いられたことを強く示唆するものである。この非常に薄手に仕上げられた品は、その卓越した技法と器形の様式などを勘案すれば、おそらく大陸で七~八世紀にかけて制作されたかと考えられ、インドで発生した塔形を象った容器の中国的解釈所産の一端をみせるものである。(奈良国立博物館より抜粋)

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